このページは、G o o g l e で 2005年1月24日 00:33:13 GMTに保存された http://bu-min.com/bu-min/surrogate.htmlキャッシュです。
G o o g l eがクロール時にページを保存したものです。
そのため、このページの最新版でない場合があります。こちらから最新のページ(ハイライト表示なし)を参照してください。
このキャッシュ ページにはすでに参照不可能な画像が使用されている可能性があります。テキストのみのキャッシュ ページを参照する場合はここ をクリックしてください。
このページのリンク又はお気に入りの登録にはこのURLをお使い下さい:http://www.google.com/search?q=cache:-I1tNJpqUgUJ:bu-min.com/bu-min/surrogate.html+%E3%82%B5%E3%83%AD%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%88%E3%80%80%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%BC&hl=ja&start=8


Googleはこのページまたはページ内のコンテンツとは関連ありません。
これらのキーワードがハイライトされています:  サロゲート  パートナー 

「セックス・サロゲート」について

2001年、縁あってアメリカを訪ねた際に、「セックス・サロゲート」というお仕事・職業訓練をしている人たちに会い、その後もずっと考え続けている問題があります。まだ日本であまり取り上げられていないので、ここで少し紹介します。


サロゲート」は「代理」という意味です。分かりやすく言うと、アメリカで「セックスに問題がある人たちが、治療・セラピーを受けるとして、1人でやっても限界がある。セラピーを行うにあたっての『代理パートナー』を紹介してはどうか」という考え方です。最初に提唱したのが、1970年、マスターズ&ジョンソンという2人組です。

当然、「売春との区別は?」「倫理的にどうなのか?」といった議論がわき起こりました。アメリカは、中絶を非合法とする意見も根強いですし、日本よりはるかに、保守層が大きな力を持つ国です。

マスターズ&ジョンソン以来、たくさんの人が、サロゲート・セラピーに関して研究、実践してきました。考え方も色々と、枝分かれしています。私がお会いして話を聞けたのが、International Professional Surrogates' Association (IPSA) 代表の Vena Blanchard さん、およびその研修生数人です。

(Venaさんのお話のまとめはこちら。長いです)

ここでは、まず「セラピー」とか、「売春」から話を始めるのではなく、人の心と体とセックスに関して、根本的なところに戻って考えてみたいと思います。



私の考えでは、いいセックスができるための3要素は(1)自尊心(2)コミュニケーション能力(3)カラダ、です。(1)(2)(3)のすべてが必須。実はちょっと話してみて、自尊心やコミュニケーション能力がない人は、セックス下手だとすぐわかる。ハダカになる以前のところで、半分以上が決まっているわけです。意外とこれは、多くの人に忘れられています。

IPSAのセックス・サロゲート研修は、シロート考えで、1日中セックスしまくるのかな?と思ってましたが、とんでもない。カリキュラムを見るとその中の、実に大半が(1)と(2)の研修にさかれているのです。確かに考えてみると、自尊心とコミュニケーション能力がないまま、形だけセックスしても、自分と相手をひどく傷つけるだけですよね。

「自尊心」を養う分かりやすい研修は、「ボディ・イメージ・セッション」です。はじめは家で鏡の前でハダカになって、自分の体を30分ぐらいじっと観察する。どんなカラダか、自分の言葉で形容してみるのです。ここで批判的に、他人と比べる視点になっていく人は、鏡を見ながら自分を傷つけているのと同じ。そうじゃなくて、自分の体を愛して、受け入れていく見方で、どんな言葉が使えますか?たくさんの言葉を書き出せましたか?いいボディ・イメージを持ってくださいね!ということです。

そして、研修が進んでもっと後のほうで、「パートナーと一緒のボディ・イメージ・セッション」があります。鏡と、ハダカの自分と、ハダカの相手がいます。まずは自分で、自分の体を見てどう思うか相手に言います。次に相手が、自分の体についてコメントします。その次に互いに、相手の体についてコメントします。ここでも、人と比べて批判するのではなく、温かく受け入れる愛をこめて、互いのカラダを見られるかがポイントです。

1人のセッションでは自画自賛できた人も、他人に見せるとき、「やっぱりモデル体型からは程遠いし、あたしなんて…」と卑屈になったり、「この人、心の中では私を馬鹿にしてるんじゃないか?」という疑心暗鬼が働きます。パートナーは、それを打ち消せるくらいに、「あなたのカラダは、こういうところが、こんなに素敵だよ」と、本気でほめることが大事です。これがちゃんと伝わって、相手も本気でほめ言葉を受けとめられれば、このセッションは成功です。自分ひとりの時にはなかった喜びもあるし、自尊心もより高まるでしょう。相手と関わることで、自尊心と、コミュニケーション能力が両方試されるわけです。



上の例で見たとき、「相手がいるのと、いないのとの違い」がわかっていただけるのではないでしょうか。セックスがうまくできるためには、自分ひとりでできる効果的な対策もたくさんある、ハダカやセックスに直接関わらないことから改善できる。でも、やっぱり、最終的に、「相手とハダカやスキンシップを共有しないとどうにもならない」レベルの事柄があります。誰かが、自分を本気で抱きしめてくれたり、ハダカを愛情込めて見つめてくれたりしないと癒されない部分は、1人1人の心の奥底に確実にあるのだと思います。

それを解決するために、相手と出会う場が必要です。これをセラピーと呼ぶのか、治療なのか、デートなのか、またお金をだれがいくら払うのか、払わないのか、というのは、ずっと後に来る問題だと思います。セラピーとは何ぞや、とか、売春はいかん、というところから議論を始めても、どこにも正解はないのです。一方で、体も心も孤独なまま助けを求めている人達は世界中にたくさんいます。



アメリカで実際に行われているセックス・サロゲートの方々は、十分食べていける収入を得ている、とのお話でした。このことだけでいえば、広い意味での売春にはあたる、と正面から認めてしまってもいいのではないかと思います。ただ、さっきの鏡の例で言ったように「ありのままにその人を認める、品評しない」という姿勢は、いわゆる既存風俗店での売春とはずいぶん違うのではないかと思います。風俗では、AV女優やモデルの体型にどれだけ近いかで価格が決まり、モノ扱いされる感が強いからです。

また、普通の風俗だったら、お客様がリピーターになって、半永久的にお金を払ってくれれば商売は大成功です。しかし、セックス・サロゲート は、あくまでお客様の問題の解決と、人格的・性的自立を助けるための「代理パートナー」です。セラピーが終わって、自分で相手を見つけて幸せなセックスをしてくれるようになることが目標です。そのためにどうしたらいいか考えなければならないし、自己管理もしなければなりません。

日本でたとえば「障害者専門風俗店」のような新しい試みも出てきていますが、店内をバリア・フリーにしたり、小規模な対策にとどまっています。セックス・サロゲートのように、知識・人格面の研修を行って、お客様を「リードする・教える・癒す」プロを養成している例は知りません。狭い店舗で利潤を追求する日本の風俗業界では限界があるでしょう。アメリカではセラピーに高額なお金を払うことが一般的にポピュラーであるなど、日本とそもそも土台が違う面が多くあります。

日本では一方で、セックス・セラピー、また性治療というお仕事をしている方々もいます。お医者さんの系統と、カウンセラーの系統があります。こちらでは代理パートナーを紹介してのセッションは行われていないのが現状です。「売春になってしまう」「倫理問題」「前例がない」などの理由が壁になります。

「幸せなセックスができず困っている人たちのため、何ができるか」という問いならば、教育と、福祉と、医療と、アダルト産業がちょうどクロスする点に答えがあると思います。それぞれの分野でニッチもサッチもと停滞してないで、ざっくり協力しちゃえばいいのにと思いますが、なかなか特にお役所関連は難しいようですね。



セックス・サロゲートに関して、IPSAでは、研修中も、実際のお仕事でも、「誰もが絶対に、嫌なことを強制されない」が大原則で、徹底しています。これは、セックスと、全ての人間関係・コミュニケーションの基本だという考えです。私も賛成です。

ここでも話は(1)自尊心(2)コミュニケーション能力(3)カラダ、の3要素に戻ります。もし嫌なことを強制され続けた場合、人から尊重されないことに慣れ、自尊心も低下していきます。また「ああしろ、こうしろ」「ダメだ」といった強制のやりとりだけでは、建設的な話し合いや、愛情深いコミュニケーションの能力は育ちません。こうして殺伐とした人間性が育つと、自分のカラダを軽く扱い、モノとして売ることもできてしまうようになります。知らないオッサンだろうが、優しくして金をくれるなら、怒鳴られるよりマシという判断にもなります。非行少年施設で接している少女達は、まさにこの構造です。大人たちの失敗に追い詰められて「最年少風俗嬢」にされてしまった子達が多いのです。

一方で私は0歳の息子を子育て中。この子が将来どんなセックスをするか、今土台を作っていることを痛感させられます。自尊心、コミュニケーション能力、カラダ、どれをとっても、0歳から、日進月歩で作られます。今この子の微笑みを無視したら、この失敗を怒鳴りつけたら、じゃれ付いてくるのをはらいのけたら、どんな人間に育っていくだろうか…1日1日が真剣勝負です。大人になって、セラピーや治療に頼らなくてもいいように、今できることがたくさんあるはず。その一方で、大人になって苦しんでいる人には、今からでも「育てられなおし」のチャンスがあっていいんじゃないか。セックス・サロゲートには、「代理ママ・パパ」の要素もあるのではないか…という風にも考えます。



そろそろ結論に入りましょう。アメリカのセックス・サロゲートのシステムを、そのまま日本に輸入するのはあまり意味がない。でも、その発想のいいところに学んで、自分たちのものを作ることはできると思います。黒船の時代から日本人がやってきたことと同じです。

私は、長い間貞操観念なんか持てなかったし、夫と子供と共につつましく暮らす自分など考えてもいませんでした。それがある時から、心と体が表も裏もきれいに洗われて、30年分の傷が癒されるように感じ、日に日に自分が変わっていきました。私の夫はセックス・サロゲートの研修を受けてはいなかったけれど、まさに私にその役割をしてくれました。

誰かとの出会いによって、それまで不幸なセックスしかできなかった人が、方向転換し、幸せを見つけられることは十分ありえるでしょう。プライベートでも、プロフェッショナルであっても、一番大事な点をとらえれば同じではないでしょうか。そして、何らかの決定的な理由により、恋愛やセックスの市場で評価してもらえない人々には、人為的なパートナー紹介の場がある程度必要だと思います。

バブルがはじけて久しく、おカネよりも、人間の内面に興味を持って生き方を選ぶ人が増えています。いろんな意味で「人に癒しを与える」ことをライフワークにしたい人は、現在でもたくさんいるし、これからも増えていくのではないでしょうか。その中から、「セックスで困っている人」への助けをしたい人が、いろいろな形で協力していけるといいと思います。セックス・サロゲートという試みが、その中で1つのオプションになっていくことを、私は望んでいます。



</HTML



100MB無料ホームページ可愛いサーバロリポップClick Here!